霞ヶ関と宮内庁

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ある時期、文部省に出入りすることが多かった。特に文部省では推薦番組であったのか、ちょうど、TVでは「おしん」の放映があって、昼休みは食堂や事務室が観客で異様なほど人だかりがしていた。庁舎は霞ヶ関の官庁でも古臭いほうであった。屋上屋に事務室を増築してあった。今でもあるかもしれない。庶民的な臭いのする出入りしやすいお役所だった。他の法務省通産省建設省霞ヶ関らしいと言ったら、語弊があるかもしれないが、なんとなく、出入りも緊張感があった。われ等民間人は、通常係長か課長補佐までが面談できるが、課長以上は純粋培養でよほどのことがないかぎり、ご挨拶程度で閑談等もってのほかである。世の疑惑はおおよそこの人たちが汚れ役を買っているのか新聞種になることが多い。運良く出世して地方の事務所次長クラスまでである。中でも係長でこれはと思う人物は先が約束されているのか、アンタッチャブルの人がいる。見分けてきちんと折衝営業する。とくに、受注した後のご挨拶が遅れたり、対応を誤ると、取り返しのつかない大事になる。外務省と代議士のトラブル・新聞報道にあるくらい部分はある面ではまだかわいいほうで、小物のやり方で早晩ぱくられるようだ。大物はまだまだ大物同士の取引があると思うよ。それにしても、われわれ国民1000人当たり官僚が何人いることになるのかな。霞ヶ関は殆ど役人でごった返している。せいぜい、官報販売店くらいが民間人がちらほらだ。
いっぽう、宮内庁は、書庫の営繕か造営か忘れてしまったが、呼び出されて参内?した。門から宮内庁までの通路には木が茂っていて、なんとなく皇宮警察官が木陰のそこかしこに、突っ立っている。いたずら坊主が横道に逸れないよう見張っているかのようだ。庁舎内は、全く明治の役所もびっくりの水を打ったような静けさと、なにかつまずきでもしたら、こわ〜いおじさんが飛んでくるような気配があった。そこかしこに、琺瑯の洗面器が置いてあって、まっ更の分厚い手ぬぐいが架けてある。ひょうきん者が手洗いをして見せていたが、・・・。さっさと別室まで、担当者に誘導されてしまった。事務官とか書記官とかいう人たちだろうが、普段からこんなに多くの人が詰めている必要があるのかなーと思ったものだ。当時だって、皇太后・両陛下と皇太子皇女合わせて7人。一体一人に何人の人が侍していることになるのか。殆どはお付の人以外であろう。全く民間の効率から言えば無駄と言うか余計と言うか。こういう人たちが、皇族と民衆の壁になっているような気がする。いま、両陛下と皇太子・妃・皇女が諸外国の王族と比べていかに不自由な暮らしをしているかと思えば、・・・なんと。